目次
1.単位量あたりの大きさ 1>2
2.速さ 1>2>3>4
@単位量あたりの考え方の意味
A広さ()や人数、ガソリン(L)の量や走る道のり(km)などを例に、2つの量の割合で表される量の理解
B単位量あたりの考え方を使ったくらべ方や表し方(人口密度など)
C速さの意味と公式、速さの計算
このページではBについて教え方を解説しています。
Cは次のページです
2つの量のうち、どちらか一方をそろえると比べられるという考え方を使って、少ないガソリンでたくさん走る自動車はどちらかを比べます。
問題B
赤い車と青い車の自動車があります。
赤い車は、30Lのガソリンで600km走ります。
青い車は、50Lのガソリンで800km走ります。
どちらの車の方が少ないガソリンで長く走れますか。
【教え方】
何をどう比べるか考えさせます
@ガソリン1Lで走れる道のりをくらべる
赤い車と青い車では、1Lあたりの道のりを多く走る車はどちらですか?
A1km走るのに使うガソリンの量をくらべる
赤い車と青い車では、1kmあたりのガソリンを多く使う車はどちらですか?
@の式と答え
1Lあたりで走れる道のりを調べる
赤い車 600÷30=20 1Lで20km走れる
青い車 800÷50=16 1Lで16km走れる
答え
赤い車のほうが、1Lあたりで多く走れます。
Aの式と答え
1km走るのに使うガソリンの量を調べる
赤い車 30÷600=0.05
1km走るのにガソリンを0.05L使う
青い車 50÷800=0.0625
1km走るのにガソリンを0.0625L使う
答え
青い車のほうが、1km走るのにガソリンを多く使います。
ですから少ないガソリンでたくさん走れるのは赤い車です。
※走る車のイラスト出典「動くイラストフリー素材」
人口みつ度(じんこうみつど)の問題を通して、1あたりの人数をくらべます。
問題C
下の表を見て、A市とB市では、面積1あたりの人口が多いのはどちらの市ですか
※50万人 500000人
※45万人 450000人
式と考え方
(割りきれないときは小数点以下四捨五入させます)
A市 500000÷800=625
A市は、1あたり625人
B市 450000÷700=およそ643
B市は、1あたりおよそ643人
答え B市のほうが、人口みつ度が高い
1あたりの人数を人口みつ度といいます。
これからの勉強に役立ちますので覚えて聞いてもらうといいですね。
「人口みつ度って何?」とお子さんに問いかけて、正しく答えられたらほめてあげてください。
かなこさんは、お母さんと買い物に行き、トイレットペーパーを買うとき、A社・B社・C社の品物のちがいに気づきました。
それぞれ1つつみのペーパーの数とねだんと1巻きの長さがちがいます。
どのペーパーが一番安いのか、考えて買うことにしました。
1巻きの長さがちがうので、ねだんを個数で割っても正しく比べられないことに気づきました。
そこで、それぞれのつつみごとに全体の長さを調べたら、長さとねだんが比べられると考えました。
下のアニメを見せて、かなこさんが計算したことをおさらいさせてみましょう。
動画作成協力・・「動くイラストフリー素材」
1m分のねだんを求めました。
その結果A社のトイレットペーパーが一番安いとわかりました。
※1円分のペーパーの長さをくらべるということもできます。「長さ÷ねだん」
A 200÷ 100
B 225÷ 158
C 180÷ 108
お子さんに計算させてみましょう。
1円で長く買えるペーパーがお得だとわかりますね。
【生活と単位量】
スーパーで品物を買うとき、たまご6こ入りパックと10こ入りパックでは、ねだんがちがいますが、
たまご1個分のねだんをくらべないと どちらが安いのかわからないですね。
親子で買い物に行ったとき、ぜひ、単位量で比べることを実践してみて下さい。(100g単位で比べた肉のねだん、100mL単位でくらべたジュースのねだんなど)
単位量あたり大きさの問題で間違いが多いのは、せっかく計算ができても、その計算の結果が意味していることがわからなくなる場合です。
そこで、下のように答えを確かめる教え方をすると、少しずつ理解が深まってきます。
(例−1)
AとBの部屋の広さは同じで、ペンギンの数がAの部屋のほうが多いので、Aの部屋とBの部屋では、Aの部屋のほうがこんでいる。
(例−2)
1あたりの人数は、A小学校の方が多いので、A小学校のほうがこんでいる。
(例−3)
青い車のほうが、1km走るのにガソリンを多く使うから赤い車の方が効率よく走る。
最後に
「単位量あたりの大きさ」の勉強は難しいと感じるお子さんも多いと思います。お子さんから聞かれた時に上にあげたことを参考にしながら、教科書の練習問題に取り組むといいと思います。そして、少しずつ「単位量あたりの大きさ」の考え方に慣れてくると、これからの勉強がわかりやすくなります。
【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。
「単位量あたりの大きさ」について
下の図を見せて、AとBの入れ物の鉛筆はどちらが多い?と聞きます。
A B
子どもは、Aは4本、Bは2本だから、Aのほうが多いと答えます。
これまで子どもたちは、分離量や外延量という同種の量を学んできましたので、量の大・小の比較は容易でした。
「単位量あたりの大きさ」の学習では、内包量を学習します。量における内包量の位置づけは、下図のようになっており、内包量は、異種の2つの量の割合を表しています。
そこでこの単元指導では、次の3点を特に大切にしたいと思います。
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