5年「小数÷小数」の勉強は、答えの小数点の位置を間違えることが多いです。
特にあまりがある小数のわり算は、小数点のつけかたがわからなくなるお子さんが多いので、「なぜ、こういう計算になるのか」ということにをしっかり教えたいと思います。
そこで、「小数×小数」の時の考え方を応用し、小数点がないものとして、整数のわり算をし、その後に小数点の位置を考えさせるとわかりやすくなります。
算数が苦手なお子さんには、理解度にあわせ、前の学年にもどって教えるとわかりやすくなります。必要な時は、下のリンクを活用下さい。
○ 4年2学期の「小数÷整数」
○ 4年1学期の 「小数」
○ 3年1学期の 「小数」
@ 小数÷小数の意味
A 小数÷小数の計算と筆算のしかた
B 小数のわり算で、わる数と商の大小関係
C 生活場面での小数÷小数を用いるよさ
教科書のさし絵には、「小数÷小数」に関係のある絵または写真を載せてあります。
このさし絵をみせながら、「小数÷小数」の考え方が生活に役に立つことを教えていけば、この勉強の意欲が高まりやすくなります。
「整数÷整数」の考え方をもとに、 まず「整数÷小数」の意味と計算のしかたを気づかせます。
問題 赤いリボンは、2mで48円で、青いリボンは、1.6mで48円です。
それぞれ1mのねだん、はいくらですか?
1メートルあたりの代金はいくらですか?
赤は2mで48円 青は1.6mで48円
代金÷長さ=1mのねだん
この式をもとに考えさせます。
○ 赤いリボンの1mのねだんを求める式
48÷2=24
1mのねだんは、24円
○ 青いリボンの1mのねだんを求める式
48÷1.6=( )
この計算のしかたを考えさせます
【48÷1.6の答えを求める方法 その1】
1.6mは、0.1の16個分だから、
代金を16で割ると0.1m分のねだんが求められます
0.1mのねだんは、48÷16=3(円)
1mのねだんは、その10倍なので
(48÷16)×10=30
だから、48÷1.6=30
答え 1mのねだんは、30円
【48÷1.6の答えを求める方法 その2】
16mは、1.6の10倍だから、
ねだんも10倍になる
16m分の代金は48×10=480(円)
だから、1mのねだんは、それを16で割った数になる。
48÷1.6=
(48×10)÷(1.6×10)=
480÷16=30
答え 1mのねだんは、30円
※ わる数を整数に直して、計算したらよいことに気づかせます。
次に割られる数も小数の時の計算を教えます。
「整数÷小数」の考え方をもとに、「小数÷小数」の意味と計算のしかたを気づかせます。
問題 1.3mの重さが3.77kgの金属のパイプがあります。この金属のパイプ1mの重さは何kgですか?
わかりにくいときは簡単な整数に置き換えて式を考えさせます。
例えば「2mの重さ4kgのパイプ1mは?」
と置き換えると4÷2という式が思いつきます。
言葉に直すと、「重さ÷長さ」です。
問題の解き方
重さ÷長さ=1mの重さ だから、
式は3.77÷1.3になります。
上の「整数÷小数」の時のように、「わる数を整数に直して計算したらよい」という考えを使って、次の式になることを気づかせます。
3.77÷1.3=
(3.77×100)÷(1.3×100)=
377÷130=2.9
答え 1mの重さは、2.9kg
※ 3.77÷1.3をそれぞれ100倍にして、計算すれば、答えがわかることを確かめさせます。
「小数÷小数」の筆算のしかたを筆算アニメを見せながら教えます。その後、いろいろな「小数÷小数」の筆算のしかたを教え、教科書の練習問題などに取り組むとお子さんの理解が深まります。
小数のわり算 筆算のしかた@
3.77÷1.3の筆算のしかた
わる数を小数に直すことがポイントです。
最後に商の小数点が割られる数と同じ位置にあることを確認させます。
またマス目のノートに書いて、筆算のしかたを確かめさせると間違いが少なくなります。
声を出して覚える練習をすると、この後の「いろいろなわり算の筆算」がわかりやすくなります。
小数のわり算 筆算のしかたA
小数÷小数で商が整数になる場合の筆算のしかた
1.84÷0.23の筆算のアニメを見て、実際に筆算させます。
はじめにわる数の小数点に目をつけ
どちらも100倍します
最後は小数点はつけません
小数のわり算 筆算のしかたB
わり切れるまでするわり算の筆算
1.84÷0.23の筆算のしかた
わる数1.28に合わせて
どちらも100倍する
割りきれるまで最後に0を加えて
わり算を続ける
商の小数点は、わられる数と同じ位置
小数のわり算 筆算のしかたC
商を四捨五入で、1/10の位までの概数で表すわり算のしかた
5.3÷0.7の筆算のしかた
↓
↓
商の小数点以下の位取りをしっかり見て、どこを四捨五入すれば、求める答えになるのか、考えさせます。
この計算では、1/100の位で、四捨五入するとよいことを教えます。
小数のわり算で
あまりのある筆算のしかたを教えます
次の計算は、特に間違いが多い計算ですので、あまりの小数点の位置を確認させながら教えたいと思います。
問題
4.28mのロープから2.6mずつロープを切り取っていくと、何本のロープがとれますか?そして、あまりは何mになりますか?
4.28mのロープで2.6mが何本とれ、あまりがどれだけになるかを考えると図は、下のようになります。
上の図の考え方をもとに、式を立てると
4.28÷2.6
という式ができます。
それて下のように小数の筆算をします。
求めているのは本数なので、商は整数でなければなりません。
小数のわり算 筆算のしかたD
4.28÷2.6の筆算
商を1の位まで求め、あまりをだす
両方を10倍して、商の小数点の位置を
確認しておきます
商は1(本)です。あまり(m)の小数点の位置は、元のわられる数の小数点の位置となることを確かめさせます。
同じようにあまりを出す筆算もやらせてみましょう。
5.3÷0.7の筆算で、商を1/10の位まで求め、あまりをだす時の筆算のしかた
※ あまりの小数点の位置は、元のわられる数の小数点の位置となることを確かめさせます。
小数のわり算で、わる数と商の大小関係に気づかせます。
下の計算から、小数のわり算で、わる数と商の大小関係をとらえさせます。
@ 200÷0.4=500
A 200÷0.5=400
B 200÷1=200
C 200÷2.5=80
D 200÷2=100
Bはわる数が1なので答えはわられる数と同じです。それに対して@Aは、1より小さい数で割っています。BCは1より大きい数で割っています。
気がついたことを言わせましょう。
上の計算から、下のことを気づかせ、覚える練習をすると、わり答えの見当づけに役立ちます。
わる数>1の時 商<わられる数
わる数=1の時 商=わられる数
わる数<1の時 商>わられる数
最後に
5年生の「小数÷小数」の勉強は、多くのお子さんが難しく感じる計算です。そこで筆算アニメも見せながら筆算のしかたを教え、少しずつ理解が深まればと思います。さらに教科書の練習問題を通して、基礎力のアップにつなげましょう。
Copyright 2019 いっちに算数 All Rights Reserved