5年算数
平均とその利用
子どもの学習支援 by いっちに算数 スマホ版

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@平均の意味
A平均の求め方とその工夫のしかた
B平均を使った長さのおよその求め方
C生活場面で用いる平均のよさ

↑のことを前のページでも解説しています。

教え方3

平均の求め方2
 工夫して平均を求める考え方に気づかせます。

問題
たまごが5個あります。1個の重さの平均を調べましょう。

1個の重さはそれぞれ
53g  56g  52g  55g  54g
でした。

(gは活字でのグラムを表しています)

求め方1

(53+56+52+55+54)÷5=
270÷5=54
答え 1個平均約54

求め方2
一番小さい52gに着目して、他の重さと52との違いの平均を求めてから、それを52にたします。

重さ(g) 53 56 52 55 54
52との違い


式 1+4+0+3+2=10
(図の濃いピンクの部分の合計)
10÷5=2・・・違いの平均
(飛び出している部分を平らにならしている)
52+2=54

答え たまごの平均は約54

この考え方は、とても大きい数字の平均を求める時で、ばらつきが小さい時に役立ちます。

例えば
121455
121460
121463
121458
の平均を求める時、

全部のたし算の答えを4でわるより、十の位一の位の数字に注目して、
55.60.63.58の平均を求めて
121400にたすと計算が楽になります。



(55+60+63+58)÷4=59
121400+59=121459
答え 121459

全部をたして平均を求める方法でも同じ答えになりますから、電卓で計算させてみましょう。

教え方4

教え方4
平均の勉強で間違えやすいところを正しい解き方として教えます。

問題@ 
1週間の学級文庫から本を借りた冊数です。
1日に借りた平均の冊数を求めなさい

曜日
冊数 10

【まちがった解き方】
8+4+6+10=28
28÷4=7  
答え 平均7冊
これは4日分の平均になってしまうのでまちがいです。
「平均」の計算で間違いが多いのは、0を計算に入れていないことがあります。


【正しい解き方】
8+0+4+6+10=28
(5日間の合計だから5で割る)
28÷5=5.6 
答え 平均5.6冊
(冊数にふつう小数は使いませんが、平均の時は小数で表すことがあります)

問題A 
クラスの男子と女子でくりひろいをしました。
男子チームは、12人で一人平均 6個
女子チームは、 8人で一人平均16個
ひろいました。


クラス全体では、
一人平均何個集めたことになりますか?

【間違えた解き方】

6+16=22 
22÷2=11
答え 一人平均11個集めた
平均数をたしてチーム数2で割っているので間違いです。
「全体の個数」と、「全体の人数」の理解が不十分な時に、上のような間違いをしやすくなります。よくある間違いです。

【正しい解き方】


上の図を見てわかるように、一人一人の個数はわからなくても平均を人数ぶん、かけ算すると男子の合計、女子の合計がわかります。
クラスの平均をもとめるには、両方をたして、男子と女子の人数の合計でわればよいということに気づかせましょう。

全体の個数を先に求める
男子チームは12×6が合計
女子チームは8×16が合計
だから
式は
12×6+8×16=200(くりの合計数)
12+8=20(クラスの人数)
クラスの平均は
くりの数の合計÷クラスの人数
200÷20=10 
答え 平均10個

上の問題は、間違いが多いというよりも、考え方がわからなくなっているお子さんが多いと思われます。文章をじっくり読ませて意味を理解させることが大切です。
下の問題は答え方に注意が必要です。

問題B
箱の中のリンゴ4個の重さをはかったら
275g  267g  272g  266g でした。


(1)1個の平均は、何グラムですか?

(275+267+272+266)÷4=270
答え リンゴ1個の平均は270g

(2)リンゴ30個の重さは何sですか?

この問題がわからなくなるお子さんがいます。
(2)はかけ算して解く問題ですが、平均はわり算と思い込んでいるとわからなくなってしまいます。

平均の重さ×個数だから
270×30=8100 となります


何sですかと聞いているのでこのまま
答え 8100sとすると
単位が間違ってしまいます。

【正しい解き方】
270×30=8100 (g)
1000gは1sだから
答え  8.1kg(およそ8kg)と答えます

※1個の平均270gという数値は 見当付けの数値なので、答えの8.1kgも 実際は「およそ8kg」と答えた方が現実的です。
このような話もしておくと、実生活に結びついた算数として子どもの心に残ります。


上のようにまちがえやすいところを事前に教えておくと子どもの理解が深まりますので、家庭でも声かけすると子どもの支援になります。


最後に
 5年の「平均」は、文章問題に慣れておくことが大切です。教科書の練習問題で基本をしっかりおさえていけば理解が深まります。

 上に示した特に間違えやすい問題は繰り返し取り組めば少しずつ基礎力が身についていきます。


 6年「資料の見方」で扱う「平均」は、「ある集団の資料について、その集団の特徴のうち中心的な傾向を表す代表値の1つ」という考え方を勉強します。度数分布表や柱状グラフなどいろいろなデータ整理の方法も上のリンク先で学習します。

 この後は、5年生は、いよいよ、こみぐあいや密度・速さなどの「単位量あたりの大きさ」の勉強に入ります。6年生に向けて、家庭でのおさらいを大切にされるといいですね。

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【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。

歩幅をはかるときに注意すること

◎ 巻き尺の目盛りの読み方がわからなくなる時があります。
◎  最初に予測をさせ、結果比較のゲーム大会にすると効果的です
◎ 歩幅をそろえないと概則できないことをとらえさせたいと思います。

   

◎ 1歩の長さは、変化することを知らせておきたいと思います。
◎ 概測は、正確な数値にならないことをとらえさせたいと思います。
◎ 上から○○ケタの概数で表すことに慣れていないことがあります。
◎ 記入表を使って、グループで取り組ませると小数の計算練習になります。
◎ 概測を通して、平均のよさをとらえさせることができればと思います。

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