5年 平均とその利用
子どもの学習支援 by いっちに算数 スマホ版

【はじめに】
 5年生も後半に入りますが、この「平均」から「単位あたりの大きさ」そして、「割合」の勉強になると、急に算数を難しく感じるお子さんがいます。 

平均身長平均気温

「平均」の勉強そのものは、普段の生活で、平均身長や平均気温などで使ったりしていますので、子どもにとっては、なじみやすい言葉です。

 「平均」の勉強のキーワードは「ならす」です。
 そこで、「平均」は、「いくつかの数やジュースなどの量を合計を変えずに同じ大きさになるようにならしたもの」ということをとらえさせれば、「平均」の勉強がわかりやすくなってきます。

@平均の意味
A平均の求め方とその工夫のしかた
B平均を使った長さのおよその求め方
C生活場面で用いる平均のよさ

教え方1

教え方1
 大きさの違う3個のオレンジを絞って、そのオレンジジュースが、1個分の見当では、どのくらいになるかを考えさせ、平均の意味平均の求め方を気づかせます。

問題1
くまとうさぎとしかがオレンジをしぼったら
ジュースの量が少しずつちがいました。
平均すると何mLですか


それぞれ、オレンジジュースの量は

      
170mL   240mL   190mL
でした。

※mL(ミリリットル)がわからないお子さんには水のかさ(2年)を見せましょう

お子さんに考えたことを言わせて↓の動画を見ましょう。


動画作成協力・・動くイラストフリー素材

オレンジジュースを全部合わせると170+240+190=600(合計)
1個分は、600÷3=200
答え 200mL・・・平均

オレンジジュースの全体量は変わらず、一人分の分量が同じになりましたね。これが「量をならす」という考え方、つまり「平均する」ということです。

グラフで考えると次のようになります


動画作成協力・・動くイラストフリー素材

グラフの棒の長さを一番長いところから
短いところへ分けることによって
3本の長さを同じにしています。

決まった量の粘土を全部使って、同じ長さの棒を3本作るときも、長い方から切り取ったり、短い方にくっつけたりして同じ長さにすることを体験させるとよくわかります。

いくつかの数量を同じ大きさになるようにならしたものを それら数量の平均といいます。
   平均=合計÷個数

 声を出して覚える練習をすると、これからの勉強がわかりやすくなります。
       

教え方2

 「平均の利用」のひとつとして、歩はばを使って、建物の長さのはかる方法を考えさせます。

 

@太郎君が実際に10歩の距離を5回歩くと、以下のようになりました。

1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
6.25m 6.34m 6.23m 6.24m 6.29m

太郎君の10歩分の長さは、6.23mから6.34mと、ばらつきがあります。
これをならすと10歩分の長さの平均がわかります。
その長さを10で割れば、太郎君の1歩分の長さ(歩はば)がわかります。


太郎君の1歩分の長さ(歩はばの平均)は何mですか?

(6.25+6.34+6.23+6.24+6.29)÷5=6.27  
これは10歩分の長さの平均なので、
1歩分は10で割ると
6.27÷10=0.627  
0.627mは62.7cmなので
答え 62.7cm

1m=100cmを覚えているか確認しましょう。

A太郎君が校舎の長さを歩いてはかったら78歩でした。 
校舎の長さはおよそ何mでしょう?
1歩分は62.7cmなので約63cmと考えて計算してみましょう。
(平均は、ばらつきのある数の中間の数なのでおよその数で計算していいことを理解させます)

式 
1歩分×歩数=歩いた距離
63×78=4914(cm)
4914cmは、約49mと考えられます。

答え 校舎の長さは 約49m
もっとわかりやすく約50mと答えてもいいでしょう(現実的です)

このように実際に巻き尺をあててはかれない大きな長さも、歩幅を使ってだいたいの長さがわかると便利だということに気づかせましょう。
実際に自分の歩幅の平均を求めて、それを使って自宅のまわりの長さを測らせると大変よい勉強になります。保護者の方もいっしょにやってみて、正確な設計図との誤差を確かめてみるといいですね。
平均を求めるとき、割りきれずに小数になることが多いですが、小数点以下を四捨五入することも勉強になります。
そういうときに「およその数」「概数」の考え方が実際に役立つことを体験させると算数がおもしろくなります。

平均の勉強をしていると
( )を使った式の計算のおさらいができます
小数のわり算のおさらいができます
概数の考え方のおさらいができます
 今は、電卓を使って計算することも多くなっていますが、筆算のほうが計算力がつきます。お子さんの理解度に合わせて支援されるとよいと思います。

教え方3

教え方3
 工夫して平均を求める考え方に気づかせます。

問題
たまごが5個あります。1個の重さの平均を調べましょう。

1個の重さはそれぞれ
53g  56g  52g  55g  54g
でした。

(gは活字でのを表しています)

求め方1

(53+56+52+55+54)÷5=
270÷5=54
答え 1個平均約54

求め方2
一番小さい52gに着目して、他の重さと52との違いの平均を求めてから、それを52にたします。

重さ(g) 53 56 52 55 54
52との違い


式 1+4+0+3+2=10
(図の濃いピンクの部分の合計)
10÷5=2・・・違いの平均
(飛び出している部分を平らにならしている)
52+2=54

答え たまごの平均は約54

この考え方は、とても大きい数字の平均を求める時
ばらつきが小さい時に役立ちます。

例えば
121455
121460
121463
121458
の平均を求める時、全部のたし算の答えを4でわるより、十の位一の位の数字に注目して、
55.60.63.58の平均を求めて
121400にたすと計算が楽になります。


(55+60+63+58)÷4=59
121400+59=121459
答え 121459

全部をたして平均を求める方法でも同じ答えになりますから、電卓で計算させてみましょう。

教え方4

教え方4
平均の勉強で間違えやすいところを正しい解き方として教えます。

問題@ 
1週間の学級文庫から本を借りた冊数です。
1日に借りた平均の冊数を求めなさい

曜日
冊数 10


【間違った解き方】
8+4+6+10=28
28÷4=7  
答え 平均7冊
これは4日分の平均になってしまうので間違いです。
「平均」の計算で間違いが多いのは、0を計算に入れていないことがあります。


【正しい解き方】
8+0+4+6+10=28
(5日間の合計だから5で割る)
28÷5=5.6 
答え 平均5.6冊
(冊数にふつう小数は使いませんが、平均の時は小数で表すことがあります)

問題A 
クラスの男子と女子でくりひろいをしました。
男子チームは、12人で一人平均 6個
女子チームは、 8人で一人平均16個
ひろいました。

クラス全体では、
一人平均何個集めたことになりますか?

【間違えた解き方】
6+16=22 
22÷2=11
答え 一人平均11個集めた
平均数をたしてチーム数2で割っているので間違いです。
「全体の個数」と、「全体の人数」の理解が不十分な時に、上のような間違いをしやすくなります。よくある間違いです。

【正しい解き方】
全体の個数を先に求める
男子チームは12×6が合計
女子チームは8×16が合計
だから式は
12×6+8×16=200
12+8=20(クラスの人数)
クラスの平均は
くりの数の合計÷クラスの人数
200÷20=10 
答え 平均10個

 次の問題は、間違いが多いというよりも、考え方がわからなくなっているお子さんが多いと思われます。

問題B
箱の中のリンゴ4個の重さをはかったら
275g  267g  272g  266g でした。


1個の平均は、何グラムですか?

(275+267+272+266)÷4=270
答え リンゴ1個の平均は270g

リンゴ30個の重さは何sですか?

この問題がわからなくなるお子さんがいます。
かけ算の問題ですが、平均の考え方と混同してしまうようです

平均の重さ×個数だから
270×30=8100 となりますが、
答え 8100sとすると
単位が間違ってしまいます。

【正しい解き方】
270×30=8100 (g)
1000gは1sだから
答え  8.1kg(または約8kg)
※1個の平均270gは見当付けの数値なので答えの8.1kgも 実際は「約8kg」と答えた方が現実的です。このような話もしておくと、実生活に結びついた算数として子どもの心に残ります。


上のようにまちがえやすいところを事前に教えておくと子どもの理解が深まりますので、家庭でも声かけすると子どもの支援になります。


最後に
 5年の「平均」は、文章問題に慣れておくことが大切です。教科書の練習問題で基本をしっかりおさえていけば理解が深まります。

 上に示した特に間違えやすい問題は繰り返し取り組めば少しずつ基礎力が身についていきます。
 6年「資料の見方」で扱う「平均」は、「ある集団の資料について、その集団の特徴のうち中心的な傾向を表す代表値の1つ」という考え方を勉強します。 

 この後は、5年生は、いよいよ、こみぐあいや密度などの「単位量あたりの大きさ」の勉強に入ります。6年生に向けて、家庭でのおさらいを大切にされるといいですね。

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【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。

歩幅をはかるときに注意すること

◎ 巻き尺の目盛りの読み方がわからなくなる時があります。
◎  最初に予測をさせ、結果比較のゲーム大会にすると効果的です
◎ 歩幅をそろえないと概則できないことをとらえさせたいと思います。

   

◎ 1歩の長さは、変化することを知らせておきたいと思います。
◎ 概測は、正確な数値にならないことをとらえさせたいと思います。
◎ 上から○○ケタの概数で表すことに慣れていないことがあります。
◎ 記入表を使って、グループで取り組ませると小数の計算練習になります。
◎ 概測を通して、平均のよさをとらえさせることができればと思います。

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