6年算数 比とその利用3
比を用いた文章問題
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教え方4

 比を使って、比べる量と、もとにする量の求め方に気づかせます。問題文が何を聞いているかをしっかりとらえることが大切です。

問題@
 ケーキ作りを作りをします。
 砂糖と小麦粉の重さの比を2:5にして作ります。小麦粉が200gの時、さとうは何gいりますか。

【線分図を使って求める方法】

 線分図を書いて考えることをアドバイスします。考えが浮かばないときは、下の動画を見せて考えさせます。線分図を使う考え方で、問題をといた時は、動画で考え方の確かめをします。








動画作成協力・・動くイラストフリー素材

線分図

 小麦粉200gは、2:5の5にあたる量なので、比の1つ分にあたる量は200÷5で、40gということに気づかせます。
さとうは、比の2つ分なので、40×2で80gとなります。

 200÷5=40
40×2=80    答え 80g

【比の値を使って求める方法】

 上にあげた2つの解き方に気づかせ、「答えを出しやすい考え方はどちらかな?」と聞いていくと、比を利用した考え方が、理解できるようになってくると思います。

問題A
はなこさんと妹が2mのリボンを分けます。
はなこさんの分と妹の分の長さの比を3:1にするには、それぞれ、何cmずつに分ければよいでしょう。

【全体をきまった比に分けて考える】

 はなこさんの分と全体の長さの比で考えることをアドバイスします。考えが浮かばないときは、下の動画を見せて考えさせます。自分で問題が解けた時は、動画で考え方の確かめをします。





動画作成協力・・動くイラストフリー素材

※ 2mは、200cmです。


 妹の分は、全体の200cmから、はなこさんの150cmをひいて、残り50cmとして答えを出すこともできます。

 教科書に比の文章問題がありますので、おさらいをしておくと中学の勉強に役立ちます。

文章問題2

 A商店とB商店で同じくじびきをしています。
「あたり」と「はずれ」のくじが、つぎのようにまざっているとき、下の問いに答えなさい。

A商店のくじ
 あたり 8本 はずれ 24本

B商店のくじ
 あたり 12本  はずれ 40本



@A商店とB商店のあたりとはずれの比を書きなさい。
AA商店とB商店の比の値を求めなさい。
Bどちらのお店のほうが、あたりが出やすいですか。

こたえ
@ A商店 8:24
  B商店 12:40

A A商店   ・・・ (8÷24)
  B商店   ・・・ (12÷40)

B 比の値を通分してくらべると


小数の比で表すと
A商店 1÷3=0.333・・・
B商店 3÷10=0.3
やはり A商店のほうがあたりが出やすい

最後に


 「比」の勉強を家庭で教える時は、文章問題などに最初から取り組むよりも、ドレッシングやめんつゆの配合など、身近な生活場面で、よく使われていることを例に出したほうがわかりやすくなります。
 算数アニメは、お子さんが文章題を難しく感じている時に見せながら説明すると効果的だと思います。

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【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の参考にしていただければ幸いです。

 「比」は「割合」を表す方法の一つですが、百分率での「割合」の表し方と違います。「比」という割合の表し方には、百分率とは違ったよさが、次のようにあります。

【「比」で表すよさ その1】

 「比」は、対等に並べられている2つの部分(数量)の割合を表すのに使われます。例をあげると、ある長方形のチョコレートの形を表すのに、「縦は、横の60%」というより、「縦と横の長さは、3:5」といったほうがわかりやすいという「比」のよさがあります。さらに、縦と横の長さについて、「もとにする量」は、どれかということも考えなくてすみます。

【「比」で表すよさ その2】

 これまで同種の量を比べる時は、一方を基準の1としてみて数(整数・小数・分数)で表すことを学んできていますが、「比」は何倍かにすることによって、整数の「比」で表すことができます。また「比」を用いて割合を表すと、基準量を自由に選ぶことができるので、整数だけで関係を表すことができるよさがあると考えます。

【「比」で表すよさ その3】

 「比」は、2つの数量の割合を、相互の相対的な大きさに着目して考えていますので、量の大きさそれ自体を切り離して考えることができます。

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