6年 円の面積
3/3ページ
子どもの学習支援 by いっちに算数 スマホ版

【小学校の先生方への補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。

〜方眼を数える活動や、おうぎ形の分割での並べ替えの活動で、相当な時間がかかることについて〜

この授業での「円の面積の見積もり」では、円のおよその面積を、円に内接する正方形外接する正方形の面積からおよその面積を見積もる学習を最初に取り入れています。

  

そして、その後に、円の面積を求めるために、円を平行四辺形から長方形に変形し、長方形の面積の公式から円の面積を求める公式を導く学習に展開していきます。

しかし、円の面積を調べるために、方眼を数える活動や、円を同じ大きさのおうぎ形に分割して、並べ替えの活動を丁寧に取り組ませると相当な時間がかかります。そこでややもすると「円の面積の公式」を形式的に教え込んでしまうこともあります。研究授業でも時間が足りなくなってしまい、教え込みの授業になることもあります。

〜単元のねらいをしぼって、パソコンのシュミレーションで視覚的に、とらえさせることも一方法です〜

時間的な配分を考え、単元のねらいをしぼるなら、次の二つのことが考えられます。

○ 円の面積が計算で求められることを理解させる。
○ 円の面積を求める能力を伸ばす。

特に、下のように、等積変形の仕方について理解させるためには、円を分割し、並べ替えて作った長方形の「縦と横の長さ」をとらえさせることが大切です。

下図は、その時の縦と横の長さを「半径」と「円周÷2」で表した図です。

また、円の求積の一般化を図るためには、円を8等分、16等分、32等分と細かく分割して組み合わせた形を、求積可能な長方形とみなす場面が必要です。その時に、パソコンのシュミレーションで視覚的にとらえさせることも一方法ではないかと思います。

〜円の面積の分割・接合シュミレーションは、長方形の等積変形をとらえさせるのに効果的です〜

 

以前は、円の面積の分割・接合シュミレーションソフトは、高価であったり、パソコン教室の環境が整っておらず、授業ではあまり活用されませんでした。しかし、現在は、インターネットの動画で、取り込めることや、教室に大型テレビやネット環境が整っていますので、気軽に活用することができます。

また、子どもたちに操作させて、子ども自身の考えが、あっていたかを考えさせることもできます。
しかし、この円の面積の分割・接合シュミレーションで、考えさせるまでの過程が大切です。そこで、指導過程で大切にしたいことを下記に整理したいと思います。

〜円の面積の大きさの見通しをもてるようにするために〜

  

第1時・2時では、円の面積の求め方を考えるとき、円の半径を1辺とする正方形を基に、面積の大きさについて見通しをもてるようにしています。
円は曲線で囲まれた図形だけに、円の求積は、子どもたちには、難しいようにみえます。 しかし、このような面積を求める見通しをもたせることにより、既習の経験をいかして、円の求積に対する意欲・関心を高めさせたいと思います。

〜円の等積変形について、理解できるようにするために〜

これまでの平面図形の面積で、等積変形によって求積可能な図形に置き換えて、考えられるようなっています。そこで、円の面積の等積変形についての理解を深められるようにするために、円の上半分と下半分を色分けして区別できるようにすることも一方法です。

特に、等積変形をする前の図形の部分が、等積変形した後の図形のどの部分に当たるのかを、児童がとらえられるようにすることが大切です。また、おうぎ形の円周部の波形を直線とみなして考え、長方形の横や縦の長さを計算できるように、円周を求める計算もおさらいしておきたいと思います。

この学習を通して、「円は曲線で囲まれた図形だけど、円の求積はできる」と、「学ぶ喜び・わかる喜び」を体感させることができればと思います。

授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。

前のページに戻る

6年の目次に戻る

「いっちに算数」の全体目次に戻る

Copyright 2019 いっちに算数 All Rights Reserved

inserted by FC2 system