図形の拡大と縮小 その3
子どもの学習支援 by いっちに算数 スマホ版

【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。

 そこで、「拡大や縮小」の授業では、もとの図を、横の方向に2倍にした図、縦の方向に2倍にした図、縦と横の両方向に2倍にした図を示し、形が同じといえるのはどれかという考え方で、「拡大」を理解させるようにしたいと思います。

 また「方眼紙」の活用しての指導は、「1つの点を中心」から、「拡大・縮小」を理解させ、中学の「相似」につながる重要単元であるとことをおさえておきたいと思います。

 また、「方眼紙」を使って「拡大・縮小」を理解させる方法は、 紙を写し取ると誤差が緩和されると考えます。

 1つの点を中心にして「拡大・縮小」を理解させる方法は、「相似」の考え方ですので、教師の説明のしかたが大切になると思います。
 そこで、三角形や四角形の観察を通して、縮小を考え方をとらえさせ たいと思います。

 ちょうどオリンピックの開催や万国博覧会なが話題になっていますので、「拡大・縮小」は、各国の国旗やシンボルマーク、地図など、身近な所で使われていることを教材化していくと一層関心が高まるのではないかと思います。

最後に
 この単元は、授業研究などでもよく取り上げられる単元です。
 先生方の授業づくりや授業研究のまとめなどの一つの参考になれば幸いです。

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図形指導の基本的な考え方
【若い先生方への参考に】

 図形指導の基本的な考え方を、簡潔にまとめています。各学年の図形領域の指導に共通していますので、授業づくりや授業研究の際の参考にしていただければと思います。詳しくは小学校学習指導要領解説算数編の原本をご覧下さい。 

 

【図形の概念形成について】

 図形の概念の形成は、それぞれの図形をもとに、あてはまるあてはまらないと分類する活動を通して、その図形の大まかな意味をとらえようとすることです。
 この過程は、「似ている」「同じ」の視点から始まります。この図形に対する見方・考え方に個人差があることを意識しておきたいと思います。
 そして、仲間分けや図形に名前をつけること、次にその性質や内包をとらえさせながら、他の概念との比較を通して、形成されていきます。

【図形学習の基本的な活動について】

○ 観察分類を通して図形を定義する。
○ 図形を弁別する。
○ 図形を構成したり作図したり
○ 図形の性質を調べる。
ことがありますが、順序性があるわけではありません。
 しかし、図形の構成要素に着目して共通な性質を取り出し、図形の定義を明確にする。その後、定義に基づいて図形を弁別したり、構成したり、その定義に当てはまる図形を集めたり、その図形の性質を見いだしたりする過程を踏むことにより、図形の理解が深めらます。
 この時の図形に対する認知の仕方に個人差があり、「子どもなりの見方・考え方」があることを意識しておきたいと思います。

【弁別・抽象・捨象について】

「弁別」は、見たり、さわったりして、違いを見分けることです。
「抽象」は、図形の共通な特性や属性である構成要素また、性質を重点的に抜き出すことです。
「捨象」は、「抽象」の反対で、ある要素を特に抜き出して、これを無視したりする考えです。
(例)机の板は、長方形とすると、その材質や少し丸み、また机の小さな傷も切り捨てて「長方形」とみる考え方です。

【図形の構成要素について】

図形の構成要素に、主に次のようなものがあります。
直線 面 直角 辺 頂点 角 中心半径、直径 対角線 円周 平面 底面 側面

【図形分析の着眼点について】

 図形分析の着眼点は、主に次のような事項があります。
観察、構成などの活動 位置
観察、構成、分解などの活動
構成要素 辺の相等 角の相等、平行 垂直 円周率、見取り図 展開図

 図形領域における授業研究の際に、学導指導要領の解説書の読み込を通して、実践と理論を重ね合わせ学習内容の理解を深めていただければと思います。

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