目次
1.単位量あたりの大きさ 1>2
2.速さ 1>2>3>4
3.通過算
4.旅人算(出会い算・追いかけ算)
5.流水算
速さの発展問題として、水の流れの速さと船の速さを組み合わせて解く問題の教え方を解説しています。
こういう問題は「流水算」などと呼ばれ、中学入試によく出される問題です。
教科書には載っていないことも多いので、中学入試を目指しているご家庭向きに載せています。その他のご家庭では、お子さんが希望したとき教える程度でよいでしょう。
まず、前提として「川上」や「川下」「静水」という言葉の意味を教えましょう。
水は必ず高いところから低いところへ流れます。
ですから、川は、山に近い上流から海に近い下流へ流れます。川の上流方向を「川上」といい、下流方向を「川下」と言います。そして「静水」はプールや池などの水が流れていない場所の水の状態をいいます。
川下りをしたことがある人なら経験がありますが、川上に向かって船を進めるときは、川の流れが進行方向と逆になるので、船の進み方は遅くなります。(船の速度は変わりませんが、岸から見た船の進み方は遅くなります)
反対に川下へ向かって進むときは、船の速度に流れの速さが加わって速くなります。(船の速度は同じですが、岸から見た進み方は速くなります)
子ども達はおそらく「流れるプール」などでこの経験をしていると思いますので、思い出させて下さい。
そして、静水の時の船の速度が本当の船の速度だということも理解させます。
このことをふまえて次の問題を考えさせましょう。 ※アニメ作成協力「動くイラストフリー素材」
川下にあるA町から、3Km川上にあるB町に船が運航しています。
A町からB町へ行くときは20分かかります。
川の流れの速度は 分速50mです。
問い1
静水時の船の速度は、どれだけですか。
問い2
B町からA町へ行くときは、船と川の流れの速度が変わらないとすれば 何分かかりますか。
船の速度と流れの速度の関係をとらえさせるために↓のような線分図を書かせましょう
真ん中の線分の長さが、船の本当の速度ですが、
川上へ行くとき(B町へ行く)は、見かけの速度は川の流れの速度の分だけ遅くなっています。
逆に川下に行くとき(A町へ行く)は、見かけの速度は川の流れの速度の分だけ速くなっています。
そして、○印をつけた部分が分速50mです。
お子さんが線分図を見て、解き方がわかったら、式を立てて計算させ、答えが出てから、↓の解答を見せます。
※3km=3000m
解答例
式
3000÷20=150・・・上りの見かけの速度
静水時の船の速度を□とすると
□−50=150 だから
□=150+50=200 (船の速度は分速200m)
下りは 船の速度+流れの速度なので
200+50=250
分速250mで下るので
距離3000を速度で割ると
3000÷250=12
問い1の答え 船の速度 分速200m
問い2の答え 12分
川下にあるC町から、3.6Km川上にあるD町に船が運航しています。
C町からD町へ行くときは30分かかります。
静水時の船の速度は 分速150mです。
@川の流れの速度は どれだけですか。
AD町からC町へ行くときは何分かかりますか。
B上りにかかる時間は、静水時にかかる時間とどれだけちがいますか。
今度は川の流れの速さを求める問題ですが、時間の線分図を書くとこうなります。
速度を表す線分図はこうなります↓
式を立てて計算し、答えが出たら↓の解答例を見せてあっていたらほめてあげましょう。
解答例
@3600÷30=120 上りの見かけの速さ
上りの見かけの速さと本当の速さの差は
150−120=30
川の流れの速さは 分速30m
A下りは船の速さ+流れの速さなので
150+30という速さになる
3600÷(150+30)=
3600÷180=20
B静水時にかかる時間は
3600÷150=24 (分)
実際にかかる時間は30分なので
30−24=6
@の答え 流れの速さ 分速30m
Aの答え 下りにかかる時間 20分
Bの答え 6分よけいにかかる
単位に気をつけよう
@ 1qは1000m。
A 1時間は60分、1分は60秒。
A 時速の単位は1時間あたり何kmが基本。
B 分速の単位は1分あたり何mが基本。
C 秒速の単位は1秒あたり何mまたは何cmが基本。
教科書の練習問題を使って、少しずつお子さんの基礎力を伸ばすことができればと思います。
目次
1.単位量あたりの大きさ 1>2
2.速さ 1>2>3>4
3.通過算
4.旅人算(出会い算・追いかけ算)
5.流水算
Copyright 2019 いっちに算数 All Rights Reserved