6年算数
角柱・円柱の体積2
子どもの学習支援 by いっちに算数 スマホ版

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このページは↓のA〜Cについて教え方を解説しています。

@直方体や立方体の体積を求める公式を生かした四角柱の体積の求め方
Aいろいろな角柱や円柱の体積の求め方
B角柱や円柱の体積の公式
C生活場面での立体の体積を求めるよさ

教え方3

教え方3
 どんな角柱でも求められる体積の求め方を考えさせ、いろいろな角柱の体積を求めてみます。

 下の五角柱のように、どんな角柱でも、三角柱に分けて考えることができることに気づかせ、角柱の体積の求め方は、すべて底面積×高さであることを教えます。
    

角柱の体積の公式=底面積×高さ

この公式は、中学校でもよく使うので、声を出して覚える練習すると中学の体積の勉強がわかりやすくなります。

練習問題

次の立体の体積を求めましょう

問題@ 底面の形は五角形です


底面を上から見ると


3つの三角形を切り離して、わかりやすく方向を回転させると


3つの三角形の面積を求めます

黄色の面積 10×3÷2=15
きみどりの面積 10×5÷2=25
オレンジの面積 8×3÷2=12

合計すると 15+25+12=52(底面積)

体積は 底面積×高さ だから
52×7=364    【答え 364


問題A
次の立体の体積を求めましょう


底面の面積の求め方


青い部分は
横 8−5=3
たて 10−6=4
3×4=12
だから
底面積は
8×10−12=68
体積は
58×10(高さ)=580

【答え  580




 下の三角柱の体積を求める問題では、どこが底面積どこが高さかを考えさせることが大切です。


底面は必ずしも底にあるとは限りません。
上の場合は、横に2つある三角形の面が底面です。

下のように方向を変えて見るとわかりやすいでしょう。

求め方は、底面積×高さ なので
三角形の面積の公式から
(底辺×高さ÷2)×高さ
=(5×6÷2)×12=180
答え180
※上の説明の()の中の高さは三角形の面積の高さで
最後の高さは立体の高さであることに注意しましょう。

教え方4

教え方4
 角柱の体積の求め方の考えを使って、円柱の体積の求め方を考えさせます。

動画作成協力・・動くイラストフリー素材

 上の図のように、円柱の中に入る角柱の底面の辺の数(多角形の角の数)を増やしていくと円柱になることが考えられます。
 このことから
円柱の体積の求め方は、底面積×高さ
であることを教えます。

   
 円柱の体積=底面積×高さ
声に出して覚えよう


問題 下の図の円柱の底面の直径は8pで、高さは、10pです。この円柱の体積を求めましょう。

よくある間違い その1
底面積×高さ
=8×8×3.14×10

円の面積は半径×半径×3.14
なので、
8cmは直径ですから
8÷2で4cmが半径です。


よくある間違い その2
底面積×高さ
=4×4×3.14×10
=50.24
 答え 50.24
計算はあっていますが、単位が違います
ではなく単位はです

正しい解き方

底面積×高さ
=4×4×3.14×10
=50.24      答え 50.24


練習問題

問題B
次の立体の体積を求めましょう
円柱に穴が開いている立体です。
円柱の直径は10cm
穴の直径は4cmです


底面積は 
大きな円の面積−小さな円の面積です


半径は 大きな円10÷2=5cm
    小さな円 4÷2=2cm
底面積は
 大きな円の面積−小さな円の面積
 5×5×3.14−2×2×3.14
=25×3.14−4×3.14
 ここで結合法則を使いましょう
 {□×△−○×△=(□−○)×△}

=(25−4)×3.14
=21×3.14
=65.94    ・・・底面積

体積は 底面積×高さ だから
65.94×12=791.28

【答え 791.28



練習問題

↓の立体の体積を求めましょう

大きい円の半径 6cm
小さい円の半径 2cmです

−−−解答−−−


途中で結合法則を使って
計算をらくにしています。


最後に
 6年生の「立体の体積」の家庭での教え方を掲載しましたが、この勉強の基本をもとに、教科書や学校のドリルの練習問題を解いていくと、少しずつ基礎力が身についてきます。
 「立体の体積」の勉強は、2学期に教えるところが多いので、家庭でもおさらいをしておくと、中学校の体積を求める勉強に役立ちます。

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【小学校の先生方への補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。

「立体の体積」の学習を、よりわかりやすくする指導の工夫について

 時々勘違いされるのが「三角形の面積の領域は?」と尋ねると「図形領域」と答えられることがあります。

 確かに三角形は、図形の学習ですが、面積の学習は、「量と測定」の領域になります。「量と測定」の学習では、面積は、長さやかさの学習と同じように、次の4段階で学習します。
そこで、「直接比較→ 間接比較→ 任意単位による比較→ 普遍単位による比較」の段階をとらえておきたいと思います。

 この指導の中で、「単位面積」の図形の個数を数えることから、「普遍単位の意味」、「面積の公式」を学びます。また、面積についての「量の保存性・加法性」をとらえながら、その量感を算数的活動を通して学んでいきます。

 この既習経験を生かして、6年生の「立体の体積」の学習も、上記の四段階で学習しています。

 さらに6年の後半の「およその形とその大きさ」単元の導入として、「直方体や立方体の体積」の既習学習を生かして、「三角柱や円柱」の体積を求める方法を考える場づくりをしています。
 そこで「直方体の体積」を半分に切った「三角柱の体積」を示して、それぞれの体積の求め方を比較しながら、「三角柱の体積」求め方を考えさせています。

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