① 分数×整数の計算の意味
② 分数×分数の計算のしかた
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③ 逆数の意味と逆数の求め方
④ 分数倍の意味と分数倍を使った割合の考え方、分数の積の大きさ
分数と逆数について教えます。
下の分数を同じ色どうしでかけ算すると1になります。
2つの数の積(かけ算の答え)が1になるとき、一方の数を他方の数の逆数(ぎゃくすう)といいます。
分数の逆数は、分母と分子をいれかえた分数になります。
分数以外にも逆数はあります。
たとえば下のような場合も逆数です。
逆数は、このあとの分数÷分数の計算で使いますので、意味と使い方をよく覚えておきましょう。
かけ算の積と分数の関係について教えます。
かけ算では以下のことが成り立つことを5年の小数のかけ算で学んでいます。
かける数>1の時
積>かけられる数
かける数=1の時
積=かけられる数
かける数<1の時
積<かけられる数
このきまりが分数のかけ算でも成り立つのか考えさせます。
次の問題を解かせます。
下のア~オを積が80よりおおきくなるかどうかで分けましょう
答え 80>積 (イ エ)
80=積 ( ウ )
80<積 (ア オ)
このことから、分数のかけ算でも、下のきまりが成り立つことを教えます。
かける数>1の時
積>かけられる数
かける数=1の時
積=かけられる数
かける数<1の時
積<かけられる数
AはBの何倍という考え方が分数でも使えることを教えます。
問題1
Aのひもの長さは、20センチです。
Bのひもの長さは、40センチです。
Aのひもの長さは、Bのひもの長さの何倍にあたりますか?
もとにする量はB くらべる量はA
ということに気づかせましょう。
割合(何倍)=くらべる量÷もとにする量
です
AはBの何倍という表し方は、分数倍になることもあります。
問題2
体積が30のケーキがあります。
このケーキのには、チョコレートがかかっています。
チョコレートがかかっているケーキ部分の体積は、何ですか?
全体×割合(何倍)=求める量
このことから答えは15となります
次の問いを考えさせましょう。
1時間のは、何分ですか。
考え方
1時間は60分です。
60分の倍は、
60×=20分 答え20分
下の図を見せると理解しやすくなります。
時計では、
6分の1時間が10分
4分の1時間が15分
3分の1時間が20分
と覚えておくと便利です
上のことを覚えておくと下の問題も解きやすくなります。
こたえ
下のいろいろな量を表す分数の問題をとかせましょう。その後、下の答えを見て確かめさせます。
下のとき方と答えで、確かめましょう
最後に
分数×分数の計算は、中学でひんぱんに使います。小学校の卒業に向けて、教科書の練習問題や学校のドリルでおさらいをしておくと、中学の勉強で役に立ちます。家庭で教えられない時は、学校で先生に聞くことも大切です。
次の問題は、間違いが多い問題です。
【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の参考にしていただければ幸いです。
小学校の「数と計算」の領域は、どの学年も、基本的には次の過程で学習していきます。
最初に
【数の構成】
○計算の意味やしくみ
○数の表し方
次に
【計算の性質】
○数の大小や順序・系列
最後に
【数の活用】
○計算の意味と計算のしかた
○計算の活用
しかし、分数のかけ算•わり算は、日常生活の中で使われたり、計算で使うことはあまりありませんので、大人でもその意味を説明するのは、時間がかかると思います。
そこで、5年生までに習った学習を生かして、「分数のかけ算やわり算の意味」理解させることができれば、算数の面白さ、わかる楽しさを味わわせることができるのではないでしょうか。
「いっちに算数」では、子どもにわかりやすくするために、算数アニメを使っています。
この分数×分数の学習について、5年生の学習のふりかえりは、次のことです。
【分数×整数の計算のしかた】
【割合の考え方】
ある量をもとにして、くらべる量がもとにする量の何倍にあたるかを表した数が割合であるという考え方です。
くらべる量=もとにする量×割合
もとにする量=くらべる量÷割合
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