4年 垂直・平行と四角形5
先生方への補足
子どもの学習支援 by いっちに算数 スマホ版

この単元のページ構成

  1. 垂直とは、平行とは
  2. 垂直線、平行線の書き方
  3. 平行線と角度、平行四辺形の書き方
  4. ひし形の書き方、対角線とは
  5. 先生方への補足 (このページ)

【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。

〜「垂直平行・四角形」の学習は、身近な生活からの動機付けを大切に〜

 上の写真のように垂直・平行になっているものは、生活の中でたくさんあります。
 教室の窓わくから、垂直や平行は、何個あるか数えさせます。そして、どうしてそれらを垂直・平行だと思ったのかを理由を述べさせるだけで、垂直・平行の特徴をつかみ取らせることができます。

〜「垂直・平行・四角形」の学習で、特に大切にしたい指導について〜

その1 
 平面上の垂直、平行の意味を理解させること

◎2直線がなす角度が直角で、垂直は2直線の交わり方であることに気づかせます。
◎平行は、1つの直線に垂直に交わっている2つの直線の位置関係であることに気づかせます

その2
 垂直や平行や四角形が、かけるようにすること。

 作図では、三角定規の使い方を説明する時に、どうして垂直・平行が成り立つのかをとらえさせてから、その書き方に入りたいと思います。

その3
 垂直・平行の直線の位置関係をとらえながら、台形や平行四辺形、ひし形の特徴や性質を理解させること

 下記の視点から四角形を観ることを大切にしたいと思います
○ 頂点の数
○ 辺の数
○ 辺の長さ
○ 角の大きさ
○ 辺の位置関係(平行・垂直)
○ 対角線の性質(長さ、交わり方)

その4
 3年生までの学習内容と4年生での学習内容の違いを整理し指導すること

 3年生までは、角、直線、辺、角を図形を観る視点していたものが、4年生では、これに加えて、垂直と平行は位置関係を考えさせることが、平行四辺形やひし形などの四角形の指導のポイントになります。
 特に、辺の平行に着目しておかなければならいない図形が「台形」であることも指導したいと思います。

〜「垂直・平行・四角形」の単元は、「図形の領域」ですので、基本的な指導のポンイトを下記に整理します〜

図形領域のねらいについて
  「図形領域」では、平面図形と立体図形の意味や性質について理解し、図形についての感覚を豊かにするとともに、図形の性質を見いだしたり説明したりする過程で数学的に考える力や表現する力を育てることを主なねらいとしています。
 そこで、図形についての観察や構成などの活動を通して、図形についての感覚を豊かにすることを大切にしています。

各学年の指導の内容について
 「図形領域」の指導内容は、「図形についての理解」「 図形を構成する要素」、「 図形の見方や調べ方」の3つの観点から構成され、下図のとおりです。

 上の図の中に、図形についての理解という項目がありますが、これが各学年で扱う図形です。これは、平面図形と立体図形で構成されています。

各学年で取り扱う「図形を構成する要素」について
 第2学年を例にあげると、直線、直角、頂点、辺、面について指導しますが、各学年で取り扱う構成要素は、上図を参照下さい。

各学年で取り扱う「図形の見方や調べ方」について
 「図形の見方や調べ方」としては、下記の四点を大切にしていることをとらえておきたいと思います。
○ 図形の観察構成の活動
○ 図形の性質を見いだし説明すること
見取図展開図をかくこと
○ 図形の形と大きさのとらえ方

〜文科省学力調査問題から〜

 下図は、文科省学力調査問題ですが、「平行四辺形の書き方」をみる問題というよりも、上記の「図形領域」の指導のポンイトに示したように、「図形の見方や考え方」を含めた作図に用いられている図形の約束や性質を理解しているかどうかをみています。 

【文科省学力調査問題より】

 そのために、4年生の「図形についての観察や構成」などの活動を通しての「図形の構成要素」及びそれらの位置関係に着目した指導を大切にしたいと思います。

最後に
 先生方の授業づくりや研究授業まとめの一つの参考になれば幸いです。
 尚、「図形指導の基本的な考え方」も、参考にしていただければと思います。

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