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折れ線グラフのかき方を教え、自分で簡単なグラフをかけるように練習させます。
上の表を元に折れ線グラフを書いてみます。下の動画を見て書き方を学びましょう。
動画を見せたら、
折れ線グラフを書く順序を整理させます
@表題をかきます
A横に時こくの目もりをつけます
Bたてに気温をとり、目もりをつけます
Cそれぞれの時こくの気温を表す点をうちます
D点を順に直線でつなぎます
折れ線グラフのかき方を理解したら、教科書の練習問題で、自分でかかせると、かき方が身についていきます。
省略を使ったグラフの書き方を教えます
グラフの中での省略のしるしである二重波線を使った折れ線グラフのかき方を教えます。
たろうくんの体温を、折れ線グラフとしてかきました。下のグラフを見せて、工夫したほうがいいことを考えさせます。
◎0度から30度までの間があいています。
◎36度から38度までの間の細かい変化がわかりにくくなっています。
工夫1
折れ線グラフの上がり下がりが、よくわかるように、二重波線を用いて、必要がない部分は省略しています。
工夫2
体温の小数点のところがかけるように、目もりの単位を 1めもり0.1度となるようにしています。
グラフのかき方の工夫を覚えて練習しよう
問題
次のお店の売り上げの変化を1000までのがい数に直し、折れ線グラフに表しましょう。(二重波線をつかうこと)
考え方
売り上げ金を1000までのがい数に直すと以下のようになります。(参考 4年 がい数)
一番少ない数は24000で一番大きい数は31000なので、20000より小さなめもりの部分は二重波線で省略します。
答え
折れ線グラフは以下のようになります。
二重波線を効果的に使うと月ごとの変化がわかりやすくなります。
ひまわりの観察をしたら、ひまわりの5日ごとの高さが次のようになりました。
二重波線を用いて折れ線グラフに表しましょう。
イラスト提供
日にち | 高さ |
6月1日 | 88cm |
6月6日 | 96cm |
6月11日 | 112cm |
6月16日 | 122cm |
6月21日 | 134cm |
6月26日 | 138cm |
7月1日 | 142cm |
解答例
1つのグラフに2つの情報を重ね合わせたグラフについて、読み方や意味を教えます。
例題
↓のグラフは2020年までの「5月6月の熱中症で病院に運ばれた人と死亡者の数」を表しています。
左と右のめもりの数字がちがうことに気づかせましょう。
左は棒グラフのめもりを表していて、熱中症で病院に運ばれた人の数です。
右は折れ線グラフのめもりを表していて、熱中症で死亡した人の数です。
次の質問に答えさせましょう。
【1】病院に運ばれた人が一番多かった年は何年ですか。
【2】死亡者が一番多かった年は何年ですか。
【3】病院に運ばれた人が急にふえているのは何年から何年の間ですか。そのとき、死亡者はふえていますか。へっていますか。
【4】前の年より、運ばれた人がふえているのに死亡者がへっている年は何年ですか。
【5】グラフから読み取れることがらに○をつけましょう。
( )熱中症で運ばれる人は年ごとにふえている
( )熱中症で運ばれる人が多い年は、死亡者も多くなることが多い。
( )熱中症は、8月にいちばん多い。
( )平成26年と平成30年をくらべると、病院に運ばれた人は2倍以上になっている
( )死亡者数が一番少なかったのは、平成26年である。
解答
【1】平成30年
【2】平成30年
【3】平成29年から平成30年の間。死亡者もふえている。
【4】平成29年
【5】
( )熱中症で運ばれる人は年ごとにふえている
( ○ )熱中症で運ばれる人が多い年は、死亡者も多くなることが多い。
( )熱中症は、8月にいちばん多い。
( ○ )平成26年と平成30年をくらべると、病院に運ばれた人は2倍以上になっている
( )死亡者数が一番少なかったのは、平成26年である。
このように1つのグラフの中に2種類の情報を表したグラフもあることに興味を持たせて下さい。こういうグラフでは、どんなことがわかりやすくなるか言わせてみましょう。
2つのことがらには関わりがある(相関関係がある)というようなことが言えるといいですね。
社会の教科書でこのようなグラフを見つけさせて、「どんなことを表しているか」を聞いてみるとよい勉強になります。
例 気温と降水量の変化(京都)
折れ線グラフは、子どもたちも生活場面でふれることがよくあり、社会科の勉強でもデータの特徴などを調べる時に使います。ただ、実際自分で折れ線グラフを書くということになると、難しく感じるお子さんもいます。
そこで、算数アニメを使って視覚的に書き方を理解させて、方眼紙に自分で書いてみる練習をすると、理解が深まります。
そうして、家庭で取り組むと、基礎力が身についていきますので、教科書の問題のおさらいもしておくといいでしょう。折れ線グラフは、高学年でもよく勉強で使いますので、この機会にしっかり取り組みましょう。
この学習は、さらに円グラフ、帯グラフ、柱状グラフなどの学習につながります。
■5年帯グラフ円グラフの教え方
■6年柱状グラフの教え方
【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。
「折れ線グラフ」の指導を通した「数量関係」の領域のとらえ方
「折れ線グラフ」の単元は、「数量関係」の領域ですが、この領域は、大きく3つの内容で構成されており、特に下記の構成にそって、4年生の内容を学習することになっています。
そこで4年生の算数学習構成の内容を整理しておきます。
関数の考え
○ 二つの数量の変化の特徴や対応のきまり
○ 折れ線グラフ
式の表現と読み
○ 四則の混合した式や( )を用いた式
○ 公式についての考え方と公 式の活用
○ □や△などを用いた式
○ 四則に関して成り立つ性質 のまとめ
資料の整理と読み
○ 資料を二つの観点から分類・整理して特徴を調べること
○ 折れ線グラフの読み方と書き方
このことをふまえ、特に「折れ線グラフ」の指導では、特に次の3つのことを大切にしたいと思います。
その1
折れ線グラフが用いられる場面をとらえさせること。
1日の気温の変わり方を提示して、「折れ線グラフ」が使われる場面をとらえさせ、次のことを指導したいと思います。
○ 折れ線グラフから関数的な関係にある2つの数量の変化の特徴をとらえたり、対応のきまりをとらえたりすること。
○ 集めた資料をグラフに表して、調べたり説明したりすること。
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