日本の昔の算数(和算)には、つるかめ算という算数の解き方考え方がありました。2種類のものの個数はわからないが、総数や条件などから推測して個数を求める問題です。(例えばつるとかめの総数はわかっていて、足の本数の違いから、つるとかめの個数を求める問題など)
中学で学ぶ連立方程式を使えば簡単に求められる答えですが、小学生が解くときは表を書いて変化の様子からきまりを見つけて解きます。
東京書籍の教科書では、6年の最後の「算数卒業旅行」の中で紹介されています。以前の啓林館の教科書では「変わり方を調べて」の単元で扱われていました。
ここでは、啓林館版の問題に似た問題を扱いながら、解き方教え方を紹介します。
2つの数量を適当なところから変化させて表にし、変わり方のきまりをもとに問題の解き方を教えます。下の問題を例にして、考えさせます
問題を読ませた後に、問題の場面をとらえさせます
両方の代金の差を考えるので、はじめは両方、同じ個数にして考えます。
70円のアイスと30円のあめを半分ずつ(20個ずつ)買うと
アイス 70円×20個 1400円
あめ 30円×20個 600円
なので その差額は 800円です。
問題は差額が1300円のときの個数を求めるので、800円と1300円の違いを考えていきます。
値段の大きい方を多く買えば、半分ずつより差額が大きくなることを理解させます。
ここにはじめに20個ずつの代金を考える意味があることを教えます。
このことをふまえて、20個ずつ買ったときの場合から始まる表を書かせます。
アイスとあめの個数と合計金額がどのように変わっていくかを見せて「変わり方のきまり」に気づかせます。
上の表の変化の様子から、アイスを1個増やすごとに、代金の差は100円ずつ増えるきまりがあることがわかります。
はじめに求めた20個ずつ買った代金の差は800円でした。
これを1300円の差にするためには、70円のアイスを何個ふやせばよいかを気づかせます。(あめの個数は減っていきます)
式を立てながら、考えさせます
1300−800=500
(求める差額と同数買ったときの代金の差額との違いはいくらか?)
500÷100=5
(違いを変化の量で割る)
するとアイスを5個増やすといいことがわかります。
アイスは、20個から考え始めたので、5個ふやすと、
20+5=25で、 アイスは25個です。
合計の個数は40個なので、
あめの個数は、
40-25=15で、 あめは15個です。
変わり方の表では下のようになります。
問題にあっています
解答の仕方
式
1300-800=500 500÷100=5
20+5=25 40-25=15
答え アイスは25個、あめは15個
たしかめ
アイス 70円×25個=1750円
あめ 30円×15個=450円
差額 1750-450=1300円
問題に合っています。
この問題は、2種類の品物の個数の「差」を考える問題なので、最初にアイス0個から合計額を考えるという発想は自然ではありませんが、表を書いて変わり方のきまりを見つけることはできます。
個数の差が0というのは、2種類を同数買った場合を意味しているので合計40個の半数の20個ずつ買った場合の表から始めるわけです。
下のアニメをくり返し見せて
解き方を理解させましょう
動画作成協力・・動くイラストフリー素材
練習問題を通して、「表からきまりを見つけて解く問題」のおさらいをしましょう。
70円のチョコと30円のガムを半分ずつ(15個ずつ)買うと
チョコ 70×15=1050
ガム 30×15=450
なので
差額は1050−450=600円となり、
求める差額900円とは開きがあります。
そこで下のように表を書いてチョコの個数を1つずつ増やしていき、差額の変わり方を調べます。
上の表から、差額は100円ずつ増えていくことがわかります。
求める差額は900円なので、はじめに同数の個数(15個ずつ)で求めた差額600円とのちがいを計算すると
900−600=300
このちがいを変化の量100で割ると
300÷100=3
最初の個数15に3を加えて
15+3=18
チョコは18個です。
ガムは、合計30個から18個を引くので
30-18=12 12個です。
たしかめ
チョコ 70×18=1260 円
ガム 30×12=360 円
差額 1260−360=900 円
で問題に合います。
答え
チョコは18個、ガムは12個買いました
イラスト出典「動くイラストフリー素材」
終わりに
「和や差に目をつけて」の勉強は、問題文の中で、2つの数量の和の変わり方のきまりを見つけて問題を解くことや、2つの数量を適当なところから変化させて解くことを学びます。子どもたちにわかりやすくするために、算数アニメで問題の解き方を説明していますので、活用していただければと思います。
先生方への補足はこちら
(研究授業などの参考になることを述べています)
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