分数を使った割合の問題や時間を分数に表した時の単位あたりの量の問題のときかたを教えます。
問題@
ペットボトルにオレンジジュースが
400mL入っています。これは、ペットボトル全体の5分の4にあたります。
ペットボトル全体では、何mL、はいってますか?
@言葉の式を考えさせます
全体の量×割合=部分の量
(□×割合=部分)
全体を求めるので
全体=部分の量÷割合
(□=部分÷割合)
になります。
部分の量は400mL
割合は です
A式を立てさせます
400÷
B計算して答えを出させます
正解したらほめてあげましょう
問題A
50(アール)の土地を機械で整地するのに 1時間40分かかりました。
1時間あたり、何整地できますか?
この問題では、まず時間を分数で表すことに気づかせます。
@1時間40分を分数で表す
A問題を言葉の式にする
1時間の仕事量×時間(割合)=全体の仕事量
だから
1時間の仕事量=全体の仕事量÷時間
です。
B式を立てて、計算して答えを出す
答え
1時間に整地できる面積は30
わり算をかけ算にするしかたを考えさせます。
問題@
5÷3をかけ算の式になおして計算しましょう
問題A
3÷0.2をかけ算の式になおして計算しましょう
上の考え方をもとにして、分数のかけ算とわり算が混じった計算のしかたに気づかせます
どのようにして計算をしたかを説明させます
解答↓
約分に気をつけましょう
小数から分数への変換と途中の約分を
ひとつひとつていねいにさせましょう。
かけ算とわり算の混じった計算では
わり算をかけ算になおして1つの
分数の形にまとめると計算ができます
分数の時も、整数の時と同じように
次の計算のきまりが使えます
a×b=b×a |
(a×b)×c=a×(b×c) |
(a+b)×c=a×c+b×c |
たとえば こんな計算になります
下のように計算のきまりを使っても答えは同じです
分数÷分数の時のわる数と商(わり算の答え)の大きさの関係に気づかせます。
わり算では、わる数が整数や小数の時、商とわられる数との大きさの関係は、次のようになることを勉強しました。
わる数>1のとき、
商<わられる数
わる数<1のとき、
商>わられる数
わる数=1のとき、
商=わられる数
わる数が分数の時も、商とわられる数の大きさの関係は、上と同じになるので覚えておきましょう。
例 @とBの商を比べましょう
解答↓
この問題は、よく出題されますので、自分で計算して確かめるとさらによくわかります。
最後に
この単元は、小学校最後の分数の勉強ということもあり、計算問題では苦手と感じるお子さんが多い単元です。
苦手と感じるお子さんには、すぐに多くの計算練習をさせるよりも「なぜこんな考え方ができるのか」を算数アニメや図や式を使って、ていねいに教えたほうが理解が深まると思います。
その後に、教科書の練習問題や学校の計算ドリルに取り組ませて、基礎力を身につけていただければと思います。そうしておくと、中学校の数学がわかりやすくなります。
【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の参考にしていただければ幸いです。
これまで学んできた「整数でわる」「小数でわる」の考え方を、言葉の式を使って、「分数でわる」も同じと、考えさせることができればと思います。
分数÷分数の意味をとらえさせる時、「整数でわる」、また「整数で等分すること」とは違うので、子ども達が分数÷分数の意味の理解するには、抵抗があると思います。
そこでその理解をさせる手がかりとして、言葉の式が考えられます。
そのために既習事項の振り返りとして、分数÷整数の考え方を使って式を立てています。
そして言葉の式として、式を立てるとともに関係図でも考えられるようにしています。
また5年生の時に、小数倍の学習で整数÷小数の学習をした学習経験もあるので、数直線と関係図を使った教え方も活用できます。
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