前のページにもどる(計算のきまり1)
四則混合計算の計算の順序を考えて、そのしかたを説明させ、計算のきまりを理解させます。
次のことを理解させたいと思います
計算の順じょのきまりの3つの約束
(1)計算は、左から右へ順にする。
(2)( )がある式は、( )の中を先に計算する。
(3) たし算ひき算とかけ算わり算がまじった式では、かけ算わり算を先にする
下の@からEに出てくる数字の順番は
すべて同じですが、
計算の順序はすべてちがいます。
計算があっていたかを確かめさせます
計算のきまりとして、交換・結合・分配の3つの計算のきまりを教えます。
3年で学習したことを思い出させましょう。
3年 かけ算のきまり
3年 計算のきまり(かけ算の分配法則)
問題@
1個50円のみかん5個と1個40円のみかん5個
を買います。代金は合わせていくらですか?
1つ50円
1つ40円
1個50円のみかん5個 50×5=250
1個40円のみかん5個 40×5=200
250+200=450 代金は450円
一つの式にするための考え方に気づかせます
50+40を1組にして考える方法
50の合計と40の合計を別々にして求める方法
どちらの式でも 答えは450円です
(50+40)×5=50×5+40×5となります
(□+○)×△=□×△+○×△
となっていますね
問題A
1個50円のみかん5個の代金と1個40円のみかん5個の代金のちがいは何円ですか?
2つの考え方ができます
その1
1個ずつのねだんの差を求めて5倍する方法
50−40=10
10×5=50
その2
1個50円のみかん5個 50×5=250
1個40円のみかん5個 40×5=200
代金のちがいを求めるには250-200=50
と考える方法
(50-40)×5=50×5-40×5となります
(□−○)×△=□×△−○×△
となっていますね
上のことから( )を使った式のきまりを覚えましょう
よくわからないときは
↓のアニメをみましょう
ひき算も同じです。
形で覚えましょう。
たし算やかけ算には次のきまりもあります
上のきまりは、小数の計算にも
きまりが使えることを教えます。
交換・結合・分配の3つの計算のきまりをつかった計算の工夫のしかたを教えます。
特に25×4=100を暗記させておくと
筆算をしなくても暗算で答えが出ることに気づかせます。
25mプールを4回泳ぐと100mになることは実体験として記憶されていますので、例として話してあげましょう。
イラスト提供
2分の1や4分の1という割合は、日常生活によく出てきます。
10の半分(2分の1)は5
100の半分(2分の1)は50
100の4分の1は25
ですが、
時計では
1時間(60分)の2分の1は30分
1時間(60分)の4分の1は15分
ですので間違えないようにしましょう。
また、角度では
1まわり(360度)の2分の1は180度
1まわり(360度)の4分の1は90度
です。
かけ算の性質について教えます
3×6=18をもとにして
@3×60の答えを言いましょう
A30×60の答えを言いましょう
考え方
@ 3×60=3×6×10と考えて
(3×6=18だから)
18×10=180 になります
A 30×60=3×10×6×10と考えて
=3×6×10×10 と並べ替えて
=18×100=1800 です
つまり
3×6=18
3×60=360
30×60=3600
となっていますね。
まとめると
かけ算では、かける数が10倍になると
答え(積)も10倍になります。
かけられる数とかける数を10倍すると
答え(積)は100倍になります
4×7=28をもとにして
@からCの答えを言いましょう。
@4×70 A40×70
B4×14 C8×14
答え
@280 (28×10だから)
A2800(28×100だから)
B56 (4×7×2→28×2)
C112(4×2×7×2→28×4)
最後に
この勉強は、四則混合計算の基礎になります。高学年では、分数や小数の計算も入ってきますので、苦手と感じるお子さんもいます。そこで、この4年生の内容を理解しておくとこれからの勉強がわかりやすくなります。
「なぜこういう計算ができるのか」という計算の順序を教えた後は、教科書の練習問題を少しずつ取り組んでいくと効果的です。5年生に向けて、基礎力を身につけるとことができればと思います。
【小学校の先生方への補足】
授業づくりや研究授業の参考にしていただければ幸いです。
「式と計算の順じょ」の単元は、「数量関係」の領域です。この 「数量関係」の領域は、算数の4つの領域の1つですが、特に次のことをとらえて、練習問題の繰り返し学習で習熟を図りたいと思います。
【計算の順じょのきまりの3つの約束】
(1) 原則・・・計算は、左から順にする。
(2) ( )のあるときは、( )の中を先にする。
(3) + − 、× ÷とでは、× ÷ を先にする。
【式の計算の順じょを理解させるために】
○ 「場面を式で表すこと」を大切に
○ 「式をよむ」ことを大切に
(式から場面や関係をとらえることができる場合があります)