東京書籍では「計算のくふう」啓林館では「計算のじゅんじょ」という単元名の学習です。
@ たし算の場面の( )の意味
A( )を使った3つの数の計算の順序
B( )を使った計算を用いるよさ
C 簡単なたし算ひき算の暗算のしかた
1年生では「3つのかずのけいさん」で かっこをつかわない 下の4つの式を習っています。忘れている場合は↑のリンクでおさらいしましょう。
3つの数の計算パターン
@□+□+□=ずっとふえる
A□+□−□=ふえてへる
B□−□+□=へってふえる
C□−□−□=ずっとへる
数が2回ふえる場面の問題で、「順番にたす」、「ふえた数をまとめてたす」など、いろいろな方法で 問題を解く考え方に気づかせます。
そして( )の使い方を教えます。
問題@
おさるさんが、10ぴきいました。
そこに2ひき きました。さらに5ひき きました。ぜんぶで、なんびきですか。
しきにかいてみましょう。
下の動画をみせながら、問題の
場面をとらえさせます。
動画作成協力・・動くイラストフリー素材
【さるが来た順にたす考え方】
はじめ10ひき←●●←●●●●●
2つの式で表すと
10+2=12
12+5=17
答え 17ひき
ひとつの式で表してみましょう
順にたす時は、1年で習ったように
10+2+5という1つの式になることを思い出させます。
式 10+2+5=17
答え 17ひき
もう一度、動画を見せて、他の解き方はないか考えさせます。
【増えたさるの数を考える考え方】
はじめ10ひき←(●●+●●●●●)
2つの式で表すと
2+5=7←(ふえたさるの数)
10+7=17←(はじめの10ひきにふえた数をあわせる)
答え 17ひき
( )を使って表すことを教えます
まとめてたす時は、( )をつかいます
1つの式にすると
10+(2+5)=17
答え 17ひき
動画を見せて考え方を確かめさせます
動画作成協力・・動くイラストフリー素材
計算のきまり その1
( )の中は、さきに計算する
10+(2+5)=7
10+7=17
↑( )の中の答えを先に書いてしまっていますね。
「=」の両側は同じ数量でなくてはいけませんから、1行目の書き方はまちがいです。
正しい書き方
( )かっこの中は 頭の中で計算して
10+(2+5)=10+7=17
と書きます。
先生によっては、答えがあっていても式の書き方がまちがっていると減点されることもありますので、気をつけましょう。
上の二つの考え方を、おはじきや図を使って説明させると、数をまとめて考えるよさが少しずつ理解されます。
計算のきまり その2
じゅんにたしても、まとめてたしても答えは同じです。
声を出して聞いてもらい、覚えると、
これからの勉強の役に立ちます
3つの数字の関係を 計算の結果を予想して、大小関係で答えます。
問題
120円もって、おかしを買いに行きます。
チョコパン は 50円
あめ は 20円
メロンパン は 80円
アイス は 70円 です
問題@
120円で、80円のメロンパンと70円のアイスは買えますか?
答え
120は、80+70より小さい数なので買えません。
「120は80+70より小さい」
ということを 式で表すと、
120<80+70
と 表します
< や > のきごうは 不等号(ふとうごう)といい、数の大小を 表します。
※不等号は、東京書籍の教科書では
「3けたの数」で学んでいます。
問題A
120円で、チョコパン50円と70円のアイスは買えますか?
答え
120は、 50+70と同じなので、買えます。
120は50+70と同じことを
式で表すと、120=50+70 です。
=は 左右の数量が等しいことを表していて「等号」(とうごう)と読みます。
問題B
120円で、20円のあめと70円のアイスは買えますか?
答え
120は、20+70より大きいので買えます。
120は20+70より大きいことを
式で表すと、
120>20+70
と書きます。
等号(=)や不等号( > < )は、
算数の勉強で重要なので、
2年生で覚えておくことが大切です。
不等号の向きと大小の関係が
覚えにくいお子さんには
下の絵を見せて覚えさせましょう
下の問題や教科書の練習問題で
おさらいをしましょう。
1.計算をしましょう
@16+(5+3)=
A13+(8+2)=
B64+(5+13)=
2.( )の中に<、>、=を入れて式を書きましょう
@80+30( )110
A90( )130−50
B90( )190−100
C90 ( )50+80
答え
1.@ 24 A23 B82
2.@80+30=110
A90>130−50
B90=190−100
C90<50+80
2年の「計算のじゅんじょ」の勉強は、加法の結合法則の勉強です。
保護者の方も学生の頃、習った言葉だと思います。この言葉そのものは、教えませんが、2年生で意味を教えます。
こうした基礎の積み上げの中で、高学年の勉強に進んでいきますので、家庭でのおさらいに取り組まれると効果的です。
【小学校の先生方への指導補足】
授業づくりや研究授業の一つの参考にしていただければ幸いです。
下記のような問題が、高学年は苦手ですので、指導の際に留意したいと思います。
問題
□の中にあてはまる数字の数あてをしましょう。
2□1>261 答 7.8.9
423>42□ 答 2.1.0
138>1□4 答 3.2.1.0
〜つめ込みの指導にならないために〜
低学年は、特に、「レディネス」の考え方をふまえて、指導にあたりたいと思います。
ずてぶん昔の算数指導では、かけ算の九九は、3年で定着でしたが、今は、2年生で確実に とされています。
しかし、教え方としては、昔は、九九の暗唱を中心とした画一的なものでしたが、今は、算数的活動などを取り入れて、主体的に取り組むことを大切にしています。
子どもの実態からみると、今も昔も早くすらすら言えるお子さんと、高学年になっても、すぐに九九が言うのが難しいお子さんもいます。
では、大人になったらどうでしょうか。九九の暗唱を、毎日、猛練習していなくても使えるようになっています。
ここで、教育心理学の「レディネス」を振り返っておきたいと思います。
Copyright 2019 いっちに算数 All Rights Reserved