@ かけ算の意味と何倍の考え方
A 2・3・4・5の段のかけ算のしくみと九九の唱え方
B 「×」の用語とかけ算の式の表し方
C 生活場面でかけ算を使うよさ
下の問題を通して、かけ算の意味と式の考え方を教えます。
もんだい
1台に4人のれる車があります。この車が3台あれば、何人のれますか?
教え方
たし算ので表すと4+4+4=12ですね。
でも、この車が6台とか8台になったら、4を6回たしたり8回たすのは大変です。
そこで、上の図のように、4人のれる車が3つ分あるとき、4の3つ分のことを4×3とかき、よみ方を「4かける3」と教えます。
式であらわすと下のようになり、4×3のような計算を「かけ算」と言うことを教えます。
しき
4 × 3 = 12
1つ分の数 いくつ分 ぜんぶの数
4は「かけられる数」で
3は「かける数」と教えます。
たし算で同じ数をたす回数がかける数になります。
4×3=12は、4+4+4と同じです。
上のことを教えた後に、太字のところを声をだして練習をすると、このあとの「かけ算の勉強」が、わかりやすくなります。
4の3つ分のことを4×3とかき、よみ方は「4かける3」です。
おもちゃの乗り物を使って、倍(ばい)の意味とかけ算が用いられる場面を教えます。
もんだい
おもちゃのモノレールがあります。
1台の長さは4pです。
2台つなぐと長さは何pになりますか?
← 4p →← 4p →
4pの2つ分のことを、「4pの2ばい」ということを教えます。
4の2ばいを式でかくと
4×2=8とかき、4+4と同じで
答えは8pです。
このおもちゃを5こつなぐと長さは
4×5で4+4+4+4+4と同じです。
「ばい」と「かけ算の式」の考え方を、買い物の場面で考えさせると、かけ算の意味がわかりやすくなります。
下の例を参考にして教えて下さい。
もんだい
なし2こいりのさらが 3さらあります
全部でなんこですか?
ばいの考え方→2の3ばい
かけ算の式→2×3=6
答え なしはぜんぶで6こ
2+2+2の答えと同じです。
そうするとたとえば7×8は7+7+7+7+7+7+7+7と同じだとわかりましたが、7を8回たすのは大変ですね。
そこで「一けた同士のかけ算の答えをすべて暗記する」とかけ算の答えがすぐわかるようになります。
九九(くく)は、1×1から9×9までのかけ算の答えをすべて暗記することです。
最初、お子さんは81種類の九九をすべて暗記するのは大変だと思うでしょう。
しかし、これからの算数に必ず必要な勉強なので少しずつでいいから、確実に覚えられるよう保護者の方が励ましてあげましょう。
はじめに5のだんの九九を教えます。
○×5 や △×5 のように「かける数」が5のかけ算の九九を「5のだん」と呼びます。
同様に「かける数が3の九九は3のだん」、「かける数が7の九九は7のだん」などと呼ぶことを教えます。
はじめに5のだんから学習するのは、すでに1年の時計の読み方で「5.10.15.20.・・・」と、数字が書いてある時計の文字盤が何分を表しているかを習っているからです。
お金の種類にも5円や50円、500円があるように かける数が5というかけ算は、子どもにとってなじみやすい九九です。
※1年生で5とびの数え方を習っています
※1年三学期の時計の読み方
5のだんのしくみと5のだんの九九のとなえ方を乗り物の場面を用いて教えます。
もんだい
1台に5人のれる車があります。1台から9台まで、じゅんに何人のれるか考えましょう。
ことばの式
車の数×1台の人数(5人)=全部の人数
図を見せながら、一台増えるごとに5人ずつ増えることを気づかせます。
↓車の数とのれる人数の表
5のだんの九九のとなえ方を教えます
5×1=5 ・・・ご いち が ご
5×2=10・・・ご に じゅう
5×3=15・・・ご さん じゅうご
5×4=20・・・ご し にじゅう
5×5=25・・・ご ご にじゅうご
5×6=30・・・ご ろく さんじゅう
5×7=35・・・ご しち さんじゅうご
5×8=40・・・ご は しじゅう
5×9=45・・・ごっく しじゅうご
歌うように 何度も繰り返して覚える練習をさせましょう。
毎日ただしく言えているか聞いてあげると早く覚えられます。
順番に言えるようになったら、でたらめな順番で5のだんの九九を聞いて、正しく答えが言えるようになるまで練習させます。
5の段の教え方の後に、2・3・4の段の九九を教えます。
※1年生で2とびの数え方を習っています
(に−し−ろ−や−とお)
例 2のだんのかけ算
もんだい
2こ入りのクッキーのはこがあります。
はこがふえていくと クッキーの数は どんなふうになりますか。
2×1=2
2×2=4
2×3=6
2×4=8
2のだんは 2ずつふえていくことに気づかせて、つぎの答えを言わせてみましょう。
2×5=
2×6=
2×7=
2×8=
2×9=
2のだんのとなえ方
2×1=2 にいち が に
2×2=4 にに が し
2×3=6 にさん が ろく
2×4=8 にし が はち
2×5=10 にご じゅう
2×6=12 にろく じゅうに
2×7=14 にしち じゅうし
2×8=16 にはち じゅうろく
2×9=18 にく じゅうはち
くりかえし練習させましょう。
一の位の数字が2−4−6−8−0の順にくりかえすので覚えやすい九九です。
忘れた時は、一つ前の九九を思い出させて「2をたせばいい」ことに気づかせましょう。
順番に言えるようになったら、でたらめな順番で2のだんの九九を聞いて、正しく答えが言えるようになるまで練習させます。
2のだんと5のだんの九九を使って文章問題を解かせます。
もんだい1
いちごが 2つ のった おさらが 6つ あります。いちごは ぜんぶで なんこですか。
しきとこたえ
2×6=12 こたえ 12こ
もんだい2
5ほんが くっついている バナナが 3ふさあります。バナナは 何本ありますか。
しきとこたえ
5×3=15 こたえ 15本
3のだんと4のだんのとなえ方は教科書を見て下さい。
このように3のだん、4のだん、とだんだんに学校で九九の答えと となえ方を習ってきますので、その都度、学校で勉強してきた後に、九九のとなえ方の練習を聞いてあげると、九九に慣れる手助けになります。
つっかえたら、前のこたえに 3のだんなら3をたす、4のだんなら4をたす とヒントを出すといいですね。
九九の練習は、楽しく覚えられるように、ゆっくりでも励ましてあげるとお子さんは喜びます。
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かけ算の教え方 目次
1.かけ算とは、2.3.4.5の段の九九
2.6.7.8.9.1の段の九九
3.かけ算の問題、かけ算のくふう
4.九九の表のきまり
5.九九の練習のしかた
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